IC (Intensive Course)

第4回医薬品評価科学講座 Intensive Course 終了のご報告

第4回Intensive Course2007年3月20日、東京大学医学部鉄門講堂に於いて第4回医薬品評価科学講座 Intensive Course(IC)(主題:「新医薬品の開発・評価における『モデル』の有用性を考える)が開催され、多数の参加者を迎えることができました。

新医薬品の開発・評価における『モデル』の有用性を考える
新薬開発過程では様々な『モデル』が登場します。
非臨床(CMC・薬理・毒性)では、ヒトへの影響・外挿性を念頭に置きつつ候補物質のプロファイルを推測し、効率良く次の開発段階に進めることが各種『モデル』の目的とされます。臨床開発段階では、疾患特異性を反映した臨床データの収集、薬効パラメタ(有効性・安全性)予測・活用によるヒト集団での開発戦略の効率化、直接にデータ取得が困難な領域での評価(経済評価を含む)等、幅広い目的に『モデル』が使われます。規制当局の承認審査も、過去の経験に基づく広義の『モデル』を前提としています。
『モデル』や『モデル』に基づくシミュレーションが医薬品の研究開発において繁用される一方で、各専門領域の『モデル』が、別の専門領域の人々に正しく理解されることは稀です。通常のセミナーや講義では、『モデル』そのものの説明に十分な時間が割けないという制約があるのがその大きな理由です。また仮に『モデル』の理論や方法を表面的に理解したとしても、医薬品開発全体や医療における医薬品の価値評価において『モデル』が示唆することの意義をバランスよく理解することは非常に難しいのが実状です。
今回の集中コース(Intensive Course)では、多くの人々が理解不十分のまま、消化不良のままでいることが多い『モデル』に焦点を当て、じっくり時間をかけて解説します。『モデル』の信頼性、新規性、予測・外挿性、『モデル』自体の複雑さ、検証可能性、費用対効果等の観点から、モデルの有用性と現実への適用の限界を、一般の人々にわかる言葉で共有することが、今回のコースの目標です。
すべての講演の共通テーマは『モデル』ですが、個々の講演のトピックはすべて医療におけるアウトカム評価、医薬品の薬効評価等の具体例を踏まえたものです。また、必ずしも十分な専門的背景知識がなくとも理解できる内容・レベルとなるよう配慮しています。
医薬品開発・評価に広く興味をお持ちの皆様のご参加をお待ちしております。

日 時 平成19年3月20日(火) 9:30-16:20
場 所 東京大学医学部鉄門記念講堂


プログラム概要
9:30-9:40 開会挨拶
9:40-9:50

今回の集中コースの趣旨説明
東京大学大学院薬学系研究科 助教授 小野 俊介

9:50-10:30

新薬承認審査の現状と課題
医薬品医療機器総合機構新薬審査第三部 審査役 山田 博章

10:30-11:20 薬物動態研究・初期臨床研究におけるモデルの活用
東京大学大学院薬学系研究科 教授  杉山 雄一
11:20-12:30 臨床開発戦略決定におけるモデル及びシミュレーションの活用
(ファイザークリニカル・リサーチ統括部 クリニカル・ファーマコロジー部 鈴木昭之)
(ファイザーデベロップメント・オペレーション統括部 統計・解析部シニアマネージャー 小宮山 靖)
12:30-13:50 昼食
13:50-14:40 フレキシブルデザイン等の臨床試験デザインの妥当性と生物統計学的モデル
東京大学大学院医学系研究科 助手 山口 拓洋
14:40-15:30 経済評価・疫学モデルの活用(理論と具体例の紹介)(1)
東京大学大学院薬学系研究科 助教授 福田 敬
15:30-15:50 休憩
15:50-16:40 経済評価・疫学モデルの活用(理論と具体例の紹介)(2)
国立感染症研究所 感染症情報センター 主任研究官 大日 康史

東京大学大学院薬学系研究科
医薬品評価科学講座
TEL:03-5800-6988
FAX:03-5800-6949
PRS事務局
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